素数たちの孤独 | 小説の感想

幼いころのトラウマを抱えながら人生を歩む少年と少女の物語

素数たちの孤独 (ハヤカワepi文庫)

「素数たちの孤独」:La solitudine dei numeri primi
4日間ぐらいかかって読みました。通勤時間(往復2時間半)のときに。

物語は 
少年:マッティア と 少女:アリーチェ
それぞれの幼い頃の話から始まり、
2人は幼少期に一生拭えない苦悩を抱えます。

この苦悩(トラウマ)は非常に辛いもので、
読んでいるときも気持ちが重くなりました。

苦悩によって考えがひねくれたり、自虐的になりながらも
人生を生き抜いていき、高校生になると2人は初めて出会います。

私の高校生のころを思い出しながら読んでいると
自分も他人と距離をおいて生きてきたところが2人に似てるなぁと思いました。

時を重ねるごとに2人は親密な仲になっていきますが、
2人が持つトラウマが重くのしかかり、離れ離れになってします。

2人が別れてからの数年間も物語は進んでいき、
最期に2人が抱えるトラウマによって2人はまた引き寄せられ、出会うことになります。

そして、2人は自分の気持ちに向き合い、人生を決断して物語は終わります。

非常に読み応えのある物語でした。
2人のトラウマとどうやって向き合うのか、どういう結論を出すのかが気になって
どんどん読みふけっていきました。

物語にはマッティアが数学に興味を持ち、
数学の話がでてきますが、理解していなくても読むことができます。
物語に深くかかわる用語は、物語の中で詳しく説明されます。

その数学の中でもタイトルにある「素数」が物語の鍵…というよりは2人の特徴になります。

「ああ、そういう考え方をするのかぁ」と感心してしまいました。

著者のパオロ・ジョルダーノ氏(Wikipediaを見る)は物理学者の博士課程在学中に執筆されたそうで、
在学中に執筆した本作でイタリアの文学賞であるストレーガ賞を最年少で受賞されました。

「素数」の話は物理学者らしさを感じます。

そういえば、東野圭吾氏も確か工学部出身でしたよね。

理系人が素晴らしい文学作品を作りあげるなんてすごいなぁと思う一日でした。

素数たちの孤独 (ハヤカワepi文庫)

ちなみに、パオロ・ジョルダーノ氏は博士課程を修了後、
次の作品を執筆されていて公開されているそうです。

Il corpo umano

翻訳本が楽しみです。

映画も作られていたそうなんですが、
日本では公開が終わってしまったようです。
どこかで見れないですかね。

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